2016年09月07日

「X-men アポカリプス」〜離れ業ウルトラCを待ち続ける日々。

「X-menアポカリプス」を見てきました。
…もう私の手に負えないということが分かっているのに、
どうして毎回見に行ってしまうのか。

X-men アポカリプス
→公式サイト 映画「X-men アポカリプス」

シリーズ八作目くらいにあたるんでしょうか。
スピンオフを除外すると、旧三部作と、新三部作、合わせて6本目、ということでいいんだと思うのですが
私は前作(つまり新三部作の二本目)「フューチャー&パスト」のときにひしひしと感じていましたよ。
「もう、完全に話についていけなくなっているっ!」
ということを。


アポカリプス

もともと、X-menはキャラクターが多すぎて、あんまり把握できていないのです。
それでもギリギリで整理はつけつつ見ていたんですよ。
「車いすのやかん頭がプロフェッサーX。ハト派。
変なヘルメットかぶってるのがマグニートー。タカ派。
志を同じくするけども、やり方が違うので対立しながらそれぞれ徒党を組んでいる。
お互いの仲間同士の中で、寝がえりとか、恋愛模様とかあったりする。
鉄の爪があるのが一番人気キャラのウルヴァリンで、毎回尻を出すのが最大のウリ。」
まあ、これくらいで、なんとか映画は理解した気になれたもんですが。

そこで登場、前作のフューチャー&パストですよね。
タイムワープして
「今までやってきたことはなしナーシ!超能力で過去を変えたので未来も変わりマース!」
とやってしまったので、私の中の「X-men回路」が完全にショートしまして、
誰と誰が今どういう関係になっていて、どの過去がどこまでリセットしたんだっけ?
という浦島状態になったんです。
そしてそのまんまの状態で今回の新作「アポカリプス」を見に行ったので
もう、本当になんだかわかりませんでした。

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↑旧三部作の最後にプロフェッサーXを殺しちゃったし、マグニートーが能力を失っちゃったから、タイムパラドックスでやり直さざるを得なかった。とはいえ、制作側の都合でそこまで無茶されても、容易についていけないのでありました。


頭の整理のために、旧三部作、新三部作、見直しましたがそれでも「フューチャーアンドパスト」があることによって、圧倒的にわかりにくいような気がする。
(というか、冷静に見直すと「X-men」シリーズって旧三部作でやるべきことはもう全部終わってるわね)。

さらには、
マグニートーが家族を殺されたことでコントロールを失い、見境ない破壊に走る、とか
プロフェッサーXがかつてないほど強大な敵に出会ってボコボコにされる、とか
起こっているドラマが全部過去作の中で見たことがあるものしかないので
「あっ、またソレやりますっ?」
ってなってしまうところが、やっぱり六作目の厳しさですよね。


アポカリプス
↑母を殺され、娘を殺されたことによって強硬派になってきたマグニートーに、今回、息子がいることが発覚します。話が広がらないと次々家族が増える人物、マグニートー。気持ちはわかるけど、安直に見える。

あとは、回を重ねるごとに、まさか要素を小さくするわけにいかないから
キャラクターを増やし、破壊の量を増やし、アクションを派手にし、
の「増し増し大作戦」にならざるを得ないので、
私のようなアメコミ弱者には本当についていけない領域に到達しておりました。

Xmen
↑もともと超能力使い放題であるところにもってきて、タイムパラドックスあり、神と戦うのあり、というのでは、もう話の成立する余地も残らないんじゃないか…。

ところで、なぜもう手に負えないをわかっていても観てしまうのかっていうと、
ここまでくるとかえっていろいろ期待が膨らむところもあるのです。
マーベルが力入れて毎回作ってるもので、人気シリーズだから
そろそろ、アッといわざるを得ないような状況打開策を繰り出してくるんじゃないか、
と楽しみにしていたいのですよ。
今更やめられない、人気大作の6作目、7作目、8作目だから…というところでの
苦肉の策のウルトラCみたいな、奇想天外な作品が出てほしい。
(「フューチャーアンドパスト」がそういう位置づけで撮られたのはわかるけど、アレはあんまり成功したって言えなかったですしね。)








ビーストニュークス要潤
↑今作最大の発見はXmenの青い野獣ビースト君が「マッドマックス 怒りのデスロード」のニュークス君と同一人物であることにやっと気づいたこと。天才だっ!素晴らしいっ!しかも無駄に要潤に似てるっ!

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↑ウォーボーイの一人、ニュークス君は最近映画で見た中で最も気に入ったキャラクターの一人です。ヒャッハー。

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↑新3部作の一作目、ファーストゼネレーションは結構好き。ビーストとミスティークが悩みながら大人になっていく、それなりに平凡でもある成長譚がいいのです。

←クイックシルバーの活躍シーンは、話の内容わからなくてもいつも楽しいですが、今回も非常によくできておりました
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | 映画とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月19日

ファインディング・ドリー 〜人面魚に目が慣れるまで

ファインディング・ドリーを見てきました。
劇場へ行って着いた時間にやっているものを適当に見た感じだったのですが、
偶然にも公開日で、結構人も入っておりました。

ファインディング・ドリー
→公式サイト 映画「ファインディング・ドリー」

前作の「ファインディング・ニモ」を未見のまま、
そのスピンオフともいえるドリーを先に見てしまう結果になったのです。
ストーリー上は独立した作品ではあるので、前作を見ていないことによって困ることはないんですが
率直な感想としては
「人面魚がけっこうキツい」
と思う部分ありました。

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↑前作は13年間の作品。カクレクマノミの大流行しましたな。

「ファインディング・ニモ」のほうだと、まず主人公のニモがまだ5,6歳くらいの雰囲気なので
人面魚とはいえ、話しぶりが行動が結構かわいいのです。
で、そんなニモを助けてくれたちょっと変わってるけど信頼に足る友達としてドリーが出てくるので
ニモの視点を通して程度感情移入できるようになっているのです。
おそらくは、そんなひそかなドリー人気にこたえてての今作でもあるでしょうから。

ところが、その共感の下地のない状態でいきなり劇場にいったところ、
いきなり落ち着きのない人面魚に出会って当惑する、
という事態に直面してしまったのです。

ファインディング・ドリー
↑冒頭登場するベビー・ドリーは、それでも結構かわいかったのだけども。

まずドリーの年齢がたぶん思春期くらいの設定なので、
しゃべり方、や行動の幼さなど「カワイイカワイイ」で強引に引っ張ってもらえるわけではない。
そのうえ「記憶が長く続かない」という病があるので、行動に一貫性がない、
陽気な性格なので脈略ないことをよくしゃべる。
というわけで、いわゆる「うざいキャラ」であるのです。
(じーっと見てるとだんだん平野レミ氏に見えてきたりなんかして)。
もう少しなんとかしてドリーに求心力を持たせてあればよかったなあ、と思うのですが
私にとってはそこが少し弱かったのが残念なポイントではありました。

ファインディング・ドリー
↑おとなになって顔が細くなってくるとさらに感情移入しにくい。共感の深さはどれくらい人間に似た顔をしているか、によってしまうのであるからして

「うーむ、よくできていたのにどうして思ったより楽しめなかったのだろうか」
と思いつつ帰宅して、「ファインディング・ニモ」を見たら
陽気ながら人知れない苦労をしているドリーにちょっと心寄せられるようになったので、
これはやっぱり一作目から順に見るほうが正解だな、と思いました。

ストーリーも、比較すると「〜ニモ」のほうはだいぶわかりやすかったのですよね。
はぐれてしまった幼いニモが頑張ってお父さんのところに帰る、というシンプルなもので、
その過程でお父さんはお父さんでいろいろなものを乗り越えて自分の息子が独立したひとつの人格であることを理解するし、
ニモはニモは一人で命を賭した冒険をすることで生きていく自信を手に入れる、という
比較的誰にでも共感しやすいものなのです。

それに比べて「〜ドリ」ーのほうは
家族を探すドリーを、ニモ親子が探す、
という形に話が二手に分かれてしまっていて、わかりにくくなっているのです。
ドリーが大人になる過程で自分の居場所を探す旅に出る、というのは理解できるのですが、
少なくてもニモ親子のほうが前回もう乗り越えるべき事柄は乗り越えてしまったので
今更親子として何かを探しに行かなくてもいいのではないか…という必然性の問題もあります。

しかも行きつくところが海洋保護施設、という人口のエリアなので
どうも同じような場所を何度も行ったり来たりしてるような堂々巡り感もあって
あまりすっきりしないところもありました。

とはいえ、CG表現も素晴らしいし、キャラクターもいいし、
音楽の使い方もいいし、アニメとしては十分楽しかったのですが
シリーズとして比較してみてしまうと、もうちょっと高いところに期待値をもってしまうよね、という感じではありました。






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ところで記憶が続かない映画といえば「メメント」。
こっちは家族に会いたい一心などというハートウォーミングなヤツではなくて、復讐の執念だけで健忘症を乗り越えていくサスペンスですね。
「欠点は長所でもあるのだから、まずあなたができることを一生懸命に!」
みたいなふんわり自己肯定系ではなくって、
現状があって、目的があるんだから、いかにしてその間を埋めていくか、ってのいうことだけを身を削ってゴリゴリゴリゴリやっていく、という質実剛健消耗系。
私としては、物事の乗り越え方の知恵としてはこっちのほうが元気でるような気もする。
実践的だし(でも子ども見せるのは無理だな)。

←同時上映の短編「ひな鳥の冒険」は素晴らしかったです。あの水と鳥のフワフワ感の表現!
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | 映画とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月04日

ポーラX 〜緊張と緩和なんでございます。

久しぶりに大変変わった映画を見ましたが、大変面白うございました。


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【あらすじ】
城に住んでる(!)お金持ちのボンボンがある日、腹違いの姉を名乗る人物に出会う。
姉は、どうやら東欧系の難民であり、虐げられた暮らしをしています。
その存在を知ったとたん、ボンボン氏はなぜか
「この世の真実を見つけたりっ!」
となってしまい、
自分の裕福な生活のすべてとフィアンセを捨てて、姉と手に手を取り合って出奔します(なぜなんだ)。
そして、生活の術もないまま、順当に落ちぶれていき、最後はテロリストのアジトの倉庫みたいなところに間借りして暮らすようになります。
頼みの綱として書いていた小説ももちろん認められず、体も悪くなり、最後には発狂して往来で自分のいとこ(?)を追い回し、「これで我々一族を根絶やしにできるっ!」と叫んで射殺します(どういうことなんだ)。
警察にその場で拘束された落ちぶれボンボンを見て姉はその護送車に飛び込んで死にます(だからなんなんだ)。

という、あらすじだけ書くとただ暗いだけでて別に見たくなるような要素はないですな。

ポーラX
↑金持ちのボンボンと、突然現れた隠し子の姉。

ところが結構面白いのは、
まずひとつには、妙なコメディのセンスに終始彩られていることです。
いわゆる桂枝雀師匠いうところの「緊張と緩和」っていうんですかね、
時々さしはさまれる、爆笑、失笑、苦笑い、が好みだったのでございます。

一番笑ったのは、落ち延びて落ち延びて、不幸な状態でテロリストのアジトにたどり着いたとき、
その倉庫の地下みたいなところで、みすぼらしい恰好をした人たちがめいめいよく分からない楽器を手にして
よく分からない音楽を一生懸命に奏でていたシーン。
それまでは結構フランスっぽい陰鬱なメロドラマの流れで来てるのに、ここから急に前衛芸術みたいな全然別の映画になっちゃうわけですが、
そのつなぎのガラクタオーケストラのミスマッチがまあ極端に目立っておもしろく、
ひとりで「えーーっ」と奇声発してしました。
このアジトのシーンからいよいよひどい目にあっていくわけですが、このボロボロオーケストラのおかげで
「今見てるのはふつうの映画じゃないんだ」
っていう宣言になってたのが、いい感じのクッションです。

ポーラX
↑倉庫の地下の謎オーケストラ。みんな不幸せそうである。


あと笑ったシーンは、「最近、黒髪の女性につけられてる夢をみるんだ」って悩んでいた主人公ボンボン氏が
初めてその黒髪の女(姉)が本当にいることに気付いて、追いかけようとした瞬間の姉の転びっぷり。
あまりにもコメディ的に完璧だったので、思わずそこだけ巻き戻して見直そうか、と思ったほどですした。カテリーナ・ゴルベワ、いい女優さんだねー。

polax
↑この男根の形の岩の下に”そっと寝そべりに行く”シーンも結構笑った。こういう「なんか一人で盛り上がっちゃう精神状態」ってわかりますわ(ツライ)。


そんなわけで、いろんなシーンに大笑いはしたんですが、非常に身につまされる話でもあります。
「これこそが真実の自分だっ!」
と思いこんで、どんどんどんどん”それ”を剥いていったら、実は剥いちゃいけない玉ねぎみたいなもんで最終的に中身がからっぽだった、という話。
正直、ありがちすぎてツライので今さら直視させないでいただきたいところです。
「みんな愚鈍だから真実に気づかぬふりをして生きているのではなくて、そもそも自我玉ねぎは剥くもんじゃなかったんだーっ!」
って、剥き終わってから気付くもんだよねー(しみじみ)。

ポーラX
↑最後は人を殺して警察に拘束される、というまあ暗い話ですが。



謎のアジトのシーンから以降は現実なのかどうか自体がちょっと良く分からない撮り方なんですが、
血の海で溺れるシーンなんかがあることから考えても、
ダンテの地獄めぐりがモチーフであるように私には見えました。
一人の人間の「光の側面」であるボンボン氏と、「影の側面」である寄る辺なき姉とが一緒に地獄を巡ります。、
それを救うためにボンボンの元フィアンセが救済の天使としてアジトに登場するんですが、
二人の魂は救われることはなく、ふたりともほぼ同時にこの世とのつながりを失ってしまいます。
ラストで絶望した姉が車に飛び込むシーンでは、天使であるフィアンセが、隣にいた自分の弟の目をパッとふさいで、魂が地獄に落ちる瞬間を見せないようにする、というやさしくて印象的なカットにつながっていたのだと思います。

ポーラX
↑白い衣装の婚約者。いい人であります。(いくら金持ちのウエディングドレスでもそんな作り方はしないだろう)

そんなわけで、前半は金持ちのボンボンの中二病を巡るメロドラマ、
後半は地獄めぐりの旅、
そしてわが身を振り返って居心地悪い思いをしつつ見つつも、唐突なユーモアシーンにきゃっきゃうふふと見る私。
といったような作品でございまして、結構好みでありました。
地獄物、好きなんですよね。



レオス・カラックス監督見たことなかったですが、どうかしてるので、もうちょっと見てみたい。

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←秘密を暴こうとして、城の中の塗り固めた扉をたたき壊してみたら、中が空っぽでがっかりした、というシーンが間抜けで悲しくて好き。
posted by 六条 at 02:39| Comment(1) | 映画とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

「デットプール」 〜いろいろとひどい割には親しみやすい

デットプール見てきました。
デットプール
→公式サイト映画「デットプール」


面白かったです(っていうか、いろいろ酷かったです)。

最近のアメコミヒーローものがやたら話しがでかくなりすぎているのはいかがなものか、と思わなくもないので
ストーリー自体はたいへんシンプルで、ばかばかしいことと、
映像がすかっと派手なのと、
アメコミマニアのためにほかのヒーローの類を茶化して回るのに特化した作品、
というのもあってよいのではないか。
本当に漫画を読んでる感じでございました。

デットプール
↑日本向けトレイラーだとなぜか”無責任ヒーロー”で売ってるけども、別に責任感に問題は感じられなかったです。発言がいろいろ酷いだけで。

映画館を出ると心にはあんまり何も残ってないんだけど
映像と音楽は非常にかっこよかったので、気分はいい、という
ザ娯楽映画なのでした。
なんかXーメンについてだいぶイジってたなー、とか、それくらい漠然とした感想。

事情があって好きな人と一緒にいられないんだけど、
隠れてずーっとそばにいてその人を見守っている、という
実は昭和の純愛モノのようなラブストーリーがベースになってるのも
古臭いかんじで意外にも親しみやすいのです。
(昭和だと純愛ですが、現代でいうとストーカーとしてわりと成立しにくくなってきてるラブストーリーですな)。

デットプール
↑美人と付き合いすぎるとそこで幸運を使い果たしてしまうのでしょうか…。

映画の中の世界観を壊して観客のほうに語り掛けてくる演出とか、
マーベル系列の他作品の楽屋オチ風ギャグの多用とか、
どちらかというとあんまり私が好きじゃない要素も実は多かったんですが、
なんとなく「楽しいことに特化しよう」というテンションがあんまり高かったんで、作品の勢いに押されるかんじでOKでした。

デットプール
↑盛り上がってくると観客のほうに語り掛けちゃう、という手法は図らずもスーパーになった主人公の照れの表現としてよくハマったんだなー、と思います。

予算は潤沢に使うけど志は低いっ!
現代の社会問題とかに鋭く切り込まないっ!
という点において素晴らしい作品なのではあるまいか。

アメコミヒーローマニアでもなんでもないので
あんまり内輪向きのギャグがよく分からくて
「漠然とは面白いけど適切な突っ込みがわからない…」
というシーンが多かったのですが。
そちら系詳しい人が見ると、もっとずっと面白いと思われる。
ちなみに女性一人で見に来ている人はおりませんでした。やはり。




←悪そうでかっこいい女性キャラが多めに出てくるところとか、イイね!
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | 映画とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月06日

映画「ちはやふる」〜あったようななかったような青春時代


ちはやふるを見てきました。
すでに下の句が公開されてから見に行ってしまったため、
公開時間の関係で本来のストーリー流れとは逆の
下の句→上の句の順番で見てしまったのがやや残念だったもの
とっても楽しめました。
ちはやふる
→映画「ちはやふる」公式サイト

「日本映画はハリウッドと比べて予算で圧倒的に負けるのでアルカラシテッ」
とか言ってないで、こういう日本らしい作品、どんどん生まれてほしいです。
「こんな青春時代過ごしたことないけど、なんか懐かしいような気がする…」
という小さい感傷の揺さぶられ方加減がちょうどいい感じでした。

とはいえ、見た直後しばらくは、
前半のテンポの良さに比べて後半のストーリーの失速著しく、
登場人物が立ち止まってしゃべりすぎだろ、と思ってはいたのです。
上下に分けないで一本にまとめればもっと全体としてのテンポがよくなったのではないだろうか
という感想でした。

ところが、よくよく考えてみるとこれ、「前編」「後編」じゃなくて
「上の句」「下の句」なんです。
上の句が開示された状態では(魅力的ではあるものの)まだ全体像ってよくわかっていなくて、
それが切り離されて存在する下の句との繋がりを発見することにより前半の意味も理解できるようになる、
というカルタ取りとおなじ構造で作ろうとしたのかもしれない。

ちはやふる
↑単に音の繋がりでしか考えていなかった百人一首の意味を部員それぞれのものとして体験していく話でもあるわけで。

そうすると、活動的にキャラクターが立ってて魅力的な上の句に比べると
下の句は圧倒的に内面描写が増えている、
ということにも理由があるように見えてくるのです。
なんだ、めちゃくちゃかっこいい構造じゃないのっ!
(それでも立ち止まってしゃべるシーンちょっと多すぎだろ、とは思うけど)。

それから、
女子高生特有の蓮っ葉なジャージの着崩し方、とか
吹奏楽部が年中うるさくて暑苦しい部室とか、、
昭和の個人書店に存在していた、営業時間に絵本なんかを外にだしておくためのスチール製の回転する簡易本棚、とか
誰しも心あたりのある風景の描写がとても綺麗に描かれている作りこみ具合もとても良かったです。

ちはやふる
↑机が友達、机くん。私もこんな感じで本の陰でおべんと食べてましたので大変シンパシー。

あと、超可愛すぎる広瀬すずが、明らかにモテる見込みがないために孤独の中に安住の地を見つけ出しつつある冴えない男子高校生、机くんに向かって
「私、机くんがいい。机くんじゃなきゃいやだっ」
と叫んで殺しにかかる、という残虐シーンも大変良かったですね。
霊長類ヒト科の中でこういう類の無駄な殺生をためらいなくやるのって女子高生くらいだよなーっと思いながら
天国と地獄をいっぺんにみる机くんの心中を思うと胸がひりひりと痛んで、なんかとっても……気持ちよかった(マゾ?)。

ちはやふる
↑「俺じゃなきゃ嫌だなんていいながら結局単なる人数あわせ要員じゃないかっ!」と泣き出してしまった机君に対して「俺だって才能なんかないよっ」とまったくかみ合わない謎の自分語りで切り返すイケメン太一。イケメンと美少女の押しの強さにうっかり丸め込まれちゃ駄目だぞ♪(でもたぶん丸め込まれたほうが青春は楽しい気がする)。

連休中だったこともあって、結構大きなシアターにお客さんもたくさん入っていたのですが
私の隣に座っていたのが、いわば現役世代、
大きな部活バックを抱えた高校生と思しき男の子たち五人組だったのです。
私がどんなに憧憬とノスタルジーに心中ゆすぶられたり、映画の構造を考えて一人で膝を打ったりしていても
彼らがリアルタイムで自分の経験に近いこととして青春映画をみる、という感動には絶対遠く及ばんよな、
と思って、その切ない感じがまたいいのでありました。
映画館って、どういう人たちがこの映画を見てるのか、ってのを感じ取れるのも楽しみの一つですな。





←アニメもぜひ暇をみつけてみてみたい。
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | 映画とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする