2016年03月25日

盗んだバイクで走られて。

最近うちの猫がますますよくしゃべる。
猫
遊んでほしい、という気持ちは痛いほど理解できはするものの
ちょっと手が離せないので無視していると
「にゃーん?にゃーん?にゃーん?……ふーん?」
という、四拍子で話をしてくる。

ちょっとマンネリを打破していくと注目を浴びやすいということを
猫ながら身につけてきているところがいじらしい。
こいつは大変に成長している。

しかしそれでも、人間には多少のしがらみがある。
生きていくには、やらねばならぬことが無限にあるのだっ、
とばかりいばって猫を無視してパソコンに向かっていると
今度は我が家で唯一、猫立ち入り禁止区域として指定されている
食卓の上に座りこんでドヤ顔で真正面からこっちを見ている。

食卓に上がることは我が家のルールでは絶対にイカンのだ。
手を叩いて大きな声を出し、怒った顔をして猫を追い払う。
猫は両耳を伏せ、たいへん美しい野性的な流線型を作って
全速力で駆け出す。
新幹線そっくりな長く伸びてつるんとした真剣な顔をした猫があっという間に視界から消える。

猫のことを見ていれば人間のことなんかだいたい分かる、と
たしか向田邦子がどこかで言っていた。

私も、やんちゃざかりの猫から学んだことがある。
注目を集めたい気持ちをこじらせすぎると、生き物はグレる。
二本足でも、四本足でも、グレる。

そうかそうか、すまんすまん。
君にとって大事な時間が、あとでいくらでも取り戻せると思ってた私が馬鹿だったんだよ。
グレなくてもいいから、先にちょっと遊ぼう。
猫の名を呼びながら、家の中をうろうろする。
今日も今日とて日が暮れる。

猫
↑「まっ、食卓なんて人間が見てないときは乗り放題ですけどねー」

←盗んだバイクで走り出すにゃんこの夜。
posted by 六条 at 17:00| Comment(0) | ちーちゃん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月23日

ヘイトフル・エイト 〜裏地の黄色が目に染みる

クエンティン・タランティーノ監督の新作「ヘイトフル・エイト」を見てきたました。

ヘイトフル・エイト
→公式サイト 映画「ヘイトフル・エイト」

とりあえず何がびっくりしたって168分もあったってことで
面白かったんだけど、終わったときにはさすがに足腰に来てる感じではございました。

タランティーノの作品って、「なんとなく全体として好き」っていうところがありまして。
あのぶっちぎりでかっこいい映像と音楽がまずあり、
うっぷんとかなんとか色々溜まってるのを耐えに耐えていたら
血まみれカタルシスがあって、憎たらしいやつが派手に死ぬ、
みたいな様式美として完成形という気するので細かいことはいいんです。
いいんですけど、それでもあえてわざわざというと、
タランティーノっぽさと密室劇のスタイルは
そんなに合わないかもしれないなあ、という気は少ししました。

ヘイトフル・エイト
↑主に憎悪にまみれているのは8人だけど、このほかにもまだ御者とか、結構たくさん出てくる。

とくに登場人物が8人も居ると
8通りの来歴を説明しないといけないわけで、やっぱりスピード感がそがれてしまう感じは否めないし
「よく考えてみると、あの人あんまり必要なかったのでは?」
という人物が出てきたりするんですよね。
一番最初に死ぬおじいちゃんがいるんですが
冷静に考えると映画のリズム感のためだけに「ここらで一人殺しておくか要員」として登場して殺されたといえなくもないなあ、とちょっと思ったりします。

ほんとなら密室にしないほうがストーリーも分かりやすく展開もスムーズになるんだろうな、と思いもしたんですが
たぶん「狭いところに憎しみあってるもの同士が押し込められて、選択の余地なくそこで暮らさなければならない状況」って、
今世界で起こってる出来事なんですよね。
それぞれ全員がいろんな偏見、憎悪、思惑があって、欺きあい殺しあって、なかなか話の展開しない感じとか息苦しさとか、
そういうものがそのまんま監督が一番描きたかったもんだとするならば、
そんないじりにくい生の社会問題をあんなに悪趣味なエンターテインメントに仕上げるタランティーノってやっぱりすごいよなぁ、と素直に思うのです。

そういう意味では島国日本人の私としては、あの映画に潜んでる細かい差別意識とか偏見とか汲み取れないものいっぱいあるんだろうな、という気がします。
登場人物が8人出てきてるのも、当然何か意味あってのことなんだろうなあ、と思いつつ、何も思いつかない体たらく。
まさか、監督8作品目だからっていうだけの単純な動機じゃあるまいよ、え?タランティーノ殿!

ヘイトフルエイト
↑黄色のコートの裏地が目に焼きついて離れないサミュエル・l・ジャクソン。

それにつけても、サミュエル・L・ジャクソンのかっこよさですよ。
大きな黒い帽子に真っ赤なネクタイ、防寒バリバリの分厚いコートの裏地がまっ黄色。
何その色彩センス。江戸っ子か。
ものすごくよく似合っている帽子を取ったら、思ったより頭皮がちだったんで
「…ああそうだ、こんなかっこしてるけど、いい年なんだよなあ」
と思って、二度感心。
すごいですよね、普通のおじいちゃんがああいう色彩センスで闊歩してたらちょっと心配しちゃうものね。
そういう細々、端々が行き届いてかっこいいところが、やっぱりニクいなぁ、と思ってしまうのであります。

エンターテインメント映画としては前作の「ジャンゴ」のほうがよりノリやすい映画だったような気もするんですが
でもやっぱり好きだった。(でも次回作はもう少し短くして)


↑ところで予告映像では密室殺人の推理モノ、みたいな紹介の仕方してますけど、
別にそういう映画ではない。なんでこういう不思議な予告つけるのかね?

←←最後の最後で「デスプルーフ」のときに車に張り付いていたスタントウーマン、ゾーイ・ベルが出てきたのがなんか妙に嬉しかった。お元気そうで何よりでした。
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | 映画とDVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月01日

冬のあそび。

北海道では大変な低気圧とやらで、
夜中に大変な風で猫ともども驚きましたが、家が吹っ飛んだりはしませんでした。
ありがたい限り。

猫
どれどれ、だいぶ積もったねー

それよりも昨日の雪かきの方が大変だったのですが(この時期はもう雪が重い!)
せっせせっせと除雪をしているとどこからともなくご隠居雪かき奉行みたいなおじいさんがやってきて
「そこはもうそれ以上積み上げられないだろう、家の前の路肩に出したらいいんじゃないか」
と、近隣の中では極端に敷地の狭い我が家を心配してくれたりするわけです。

「そうですね。家の前に多少積んでも、これからの時期はもう溶けるだけですもんねぇ、そうします」
などと返していると
どこからともなくもうひとりのご隠居が、なんだなんだ、という感じでやってきて
「それ以上積んだら雪崩になりそうだもんな、はっはっはっ」
とか言い言い、私をダシに軽く立ち話してゆるく解散していくわけです。

なにか面白そうなことがあると迅速にかぎつけてすぐに走ってくるご隠居老人、という落語くらいでしか見聞しないシステムが未だに健在であることが、
核家族の巣窟市営団地育ちの私には結構新鮮で、戸建ての住宅街面白いなー、と思うのでありました。
それにしても今までどこにも居なかった「二人目の爺さん」が急に目の前に現れる、って本当びっくりするな。



寒くなるとあんまり家じゅうのドアを開け放しておいてやったりできないので
なんとなく猫が運動不足になる気がして、それなりに気をつかって遊びます。
猫
↑「運動不足ですけど?」という猛烈な圧力を遠くからかけられる、の図。

中でもひらひらピロピロかさかさする素材でできた大きな羽虫みたいな猫じゃらしが異常に大好きなんですが
なんか、遊び方違うんですよね。
猫

首尾よく捕まえると、咥えて奪い去って人間の手の届かないところに運んでいき
こっそり隠れて紐部分を食い千切ろうとします。
「これ俺の獲物だから触るなーっ」
っていう猫と、
「駄目だそれは買ったばかりだ、そこ切ったらもう遊んでやれないんだぞ、かえせーっ」
っていう人間の、闘いになるわけで、
なんていうか、猫じゃらしで、平和で穏やかに猫と遊んでやる、という
ファンタジー的な生活にはなかなかならない。

遊びにはルールがあるということを、理解してくれないか。
猫
↑野性の目をしてこのあと猛然と食い千切る。やめてくれ。


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↑こういうカシャカシャした素材のものが異常に好きで見てて怖いほど興奮するので、最後に高いところに隠すのが結構大変。


←でも猫が野生っぽい顔してるときってのはかわいいもんで。
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | ちーちゃん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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