2015年02月27日

獣医龍平のこと

うちの猫がお世話になっている獣医さんはいい人だ。

雰囲気が、松田龍平をうやむやにした感じなので陰ではこっそり「龍平」と呼んでいる。
誤解があると申し訳ないので、本人の名誉のためにつけたしておくが、決してオトコマエではない。
無表情なうえにぼさっとした雰囲気が松田龍平を印象付けるものの、
肌のハリなどから推定される年齢のわりには頭皮のデザインが開放的なので
おそらくは、実年齢よりだいぶ年長に見られるタイプだし、
表情があまり動かないので柔和なわりには暗い印象で受け取られかねない。
たぶんちょっと損をするタイプの人だ。

そんな無表情な龍平のところに、何度か通ううちに気づいたことがある。
一回行くごとにワンセンテンスずつくらい、
「いや、この人こんな顔してるけどだいぶ面白い人だぞ」
という確信を抱かせるような発言をぽろっとするのだ。

最初にまだ手のひらに載るようなサイズのちーちゃん(二ヶ月)を連れていったとき
育て方について丁寧に滔々と無表情に教えてくれていた中で突然、
「紐とかあるとはむはむしちゃうんで……」
と無表情に言った。
「え?はむはむ?はむはむって言った?この人はむはむって言った?」
と、思わず顔を見直す私。
淡々とした口調の無表情な松田龍平が突如「はむはむ」という言葉を文脈に放り込んでくるのは
ライブで聞かないと伝わらないくらい、地味に面白くて耳に残るのだ。

その後しばらく、私の中で「はむはむ」という言葉が流行語になった。

そののち、ぴろぴろのリボンのついた猫じゃらしを使ってることがばれたとき、
龍平に「はむはむするようなものをあげちゃ駄目って言ったでしょ」と、非常に穏やかながらコテンパンに駄目出しされたのだが、
私はしおらしくへこみつつも、「はむはむモンダイ」で怒られている自分が面白くて仕方なくて困った。

龍平は物凄く「はむはむ」を嫌がる(糸状のものを誤飲した子猫の腸が引き攣れて開腹手術が必要になる例がすごく多いんだそうだ)。
だからって、なんでそこだけボキャブラリーが極端に可愛いんだ。


そんな龍平のもとに、先日去勢手術の日程を相談に行ってきた。
話しのついでに我が家の猫は耳を触られるのが嫌いで一度も耳掃除ができていなことをちょっと言ってみた。

龍平は言う。
「うちの猫も一度たりとも掃除したことないですよ」
「えっ、そうなんですか。猫は耳だけは自分で掃除できないので人間がしてやらないといけないって何度か聞いたんですが」
「茶色い汚れが見えることなんかありますが、傷など付いてるのでなければ特に問題ないです。うちの猫は11年間一度たりとも掃除したことはないですよ」

龍平が「うちの猫」というとき、無表情な顔の中で唇だけがにやあっという感じでちょっと半笑いになる。
その無表情の中の半笑いが、この人が「うちの猫」にどれだけデレデレしてるか、ということを想像させて結構好きなのだ。
その「うちの猫」は事故か何かで拾われてきたのを治してあげ、病院で里親募集をかけたもののすでに成猫だったこともあって貰い手がみつからずに、龍平が個人的に引き取ったものらしい。
猫に不慣れな私がいかにも初心者っぽいことを何かを聞くと龍平はいつも「うちの猫」を引き合いに出して、唇のあたりだけ半笑いで答えてくれる。
ネクラ龍平、渾身のツンデレ。

結局、今回の龍平はさほど長くもない会話のやりとりの中で
「うちの猫は一度たりとも」
を三度も繰り返した。
別にたいして特別なボキャブラリーでもなんでもないのだけど、そんなに断固として回数を強調する必要もないのではないか。
相変わらずなんだか凄く面白い人だな、と思った。

獣医龍平

←痛いことをされたことがないのでちーちゃんも結構龍平を好きらしい。

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2015年02月25日

噂の二枚歯 〜犬歯の生え変わり

うちに猫がやってきたその日から
毎日「猫の成長は早い」と思ってはいたけれど
ここ一週間くらいでいつもに輪をかけてそれを感じるのです。

部屋の中で猫の姿を見かけるたびに
「お前、もうオトナだなっ!」
と思っては二度見し、
立った座ったくしゃみした、といってはバラバラになるんじゃないかと心配するほど小さかった日を回想して涙ぐみ、
抱き上げるたびに「よいしょ」と言うようになってしまったことに胸をふさがれ、
毛繕いのたびにOTINTINがぴろんと出ることに気づいて慄然とし。
本当に子育てては煩悩にまみれたものでございます。

そんな中、ついに噂のアレを発見したのです
犬歯
「お前、犬歯二本あるよ?」
(↑写ってるのは下顎ね。上下ひっくり返って熱心に飼い主の手を噛んでいるところです)

五ヶ月半にして犬歯生え変わりの時期だったのでありました。
どおりで最近またハードに噛まれるなあ、と思っていたのですが
これはたしかに痒かろうね。

そろそろ健康診断行って去勢手術の日程も決める時期でもあり
いよいよもってうちの猫にも子猫期の終わりがやってきているのでした。
(寂しい…)
猫

←たとえ彼が30キロの猫になろうとも飼い主の目にはかわいいわけではあるが。
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2015年02月24日

金継ぎ作品その3 〜冬は乾燥が敵だったのである

高い食器から順に割る癖があるのではじめた食器の繕い、とうとう三作品目に突入してしまいました。
作品も何も、そんだけ壊したんだろ、って話ではあるんですけど。
(本当に、なんで100均の食器はいつまでも割れないのに多少張り込んで選んだやつはすぐ割れるのかね)

一作目のどんぶり、
どんぶり
二作目の手塩皿に続いて
手塩皿
今回は湯飲み茶碗。
三つ目なので多少はうまくなってるかと思いつつトライしたんですが
ものの見事に過去最低の不器用仕上げと相成りました。

外から見るとまだ多少の努力の跡は見せているものの、
湯のみ
中から覗くとよくわからないところにべたべた漆と金粉が撒き散らされてるわ、
金粉の下から漆の赤がのぞいてみえるわ、
漆は垂れてるわ、で小学生の工作の風情であります。
どうしてこうなった。
湯のみ
ここまで下手なのには数々の敗因がありましてね。
まず第一には冬の湿度ですよ。
漆は温度ではなく、湿度で乾くそうなんですが、まんまとストーブ焚きっぱなしのこの季節の北海道の室内での乾燥具合になんと漆が乾くより先に下に垂れてきてしまいまして。
「これはいかん!」
と思った私、早々に金粉を撒く、という狼狽ぶりを見せるわけです。(←金粉を撒いたところで湿度が足りないことの対策になるわけはない)
真綿でぽんぽん、と叩くように金粉をのせていくんですが、今度は真綿に乾いてない漆が付着し、乾いてない漆と金粉が周辺に付着する、という手のつけられなさ。
なんとかリカバリをはかりたかったのですが、ここで漆かぶれ対策のラテックス手袋も切れたため、それ以上なにをすることも叶わず、散々な状態のまま乾かすにいたった、という経緯であります。

汚いとはいいながら、自分で繕った食器というのはそれなりの愛着を感じるのも困ったものですが、
お座には出せませんですな。
もうちょっとうまくなるといいねー。


湯のみ
↑慰めてもらいました。

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↑マニュキュア型の漆。便利だけど量の調節が難しくて結構注意しても垂れてくるほどの量ついてしまい勝ちなのが難。瓶の形をもう少し改良して欲しいなあ。

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↑金消粉。東急ハンズあたりでも売っていたような気がする。

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↑教科書。直接食品の触れない部分にはエポキシパテや接着剤などを使うなどの工夫で簡単で実用的な金継ぎ方法になってるところが大変いいと思うのであります。
今回はラテックス手袋、エポキシ接着剤、漆、金粉、真綿、燃料用アルコールだけでできました。

←いくらなんでももうちょっと手先器用になりたいねえ。
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2015年02月23日

「グランド・ブタペスト・ホテル」 〜猫に邪魔されても気になる映画

今年もアカデミー賞決まりましたね。
作品賞および最多受賞は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」だそうですが
相変わらず、というかなんというか日本で未公開のものばかりで賞レースされてもいまいちピンと来ない、というところがあったりいたしますな。

そんななか、最多受賞タイが「グランド・ブダペスト・ホテル」だったのはかなり嬉しい。

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日本公開済みどころかもうDVDレンタルまでできる、というこの差はちょっと気の毒ですね。

これが個人的にちょっといわくつき(?)作品でございましてね。
公開当時からこの作品が気になってた私はDVDレンタル始まったときにすぐ借りたのです。
ところが、うちには私が他のことに集中してるとすぐにキャット・オン・ステージスイッチの入る猫が住んでいるもので、
私が必死にDVDをみようとしている脇で全力疾走するわ、画面に飛びつくわ、後頭部に特攻かけてくるわ、びっくりするくらいな大騒ぎをはじめたのです。
でも全然集中できないながらもちらちら目に入るフェス・アンダーソン独特の絵の綺麗さはやっぱり強く印象に残ってどうしても見たいので、一旦返してまた同じものを借り、そして見ようとして猫と戦い、時間切れでまた返却、また借り直し……と、実に三回連続で同じ作品を借り続けた末にやっと見ることができたのでした。
いやいや、その価値あったと思いますし、図らずも非常に印象深い映画となりました。

猫も興奮する色使いなんだろうか。


ウェス・アンダーソン監督で一番お気に入りは「ファンタスティックMr.FOX」。迷える中年の話が染みるお年頃。

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←それはそうと今年は夕張国際映画祭に行けずじまいでしたのよ(涙)
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2015年02月18日

縄張りをめぐる家庭内紛争

ノートパソコンの上の温度というのは案外気持ちいいらしく
パソコンに向かっていると、上に乗りたい猫との陣取り合戦になる。
猫
昔は小さくて場所もとらなかったので少々のられても、案外支障なく作業できたりもしたものだが
成長著しい昨今にあっては、
強制終了かけられる、キーははずれる、なんだかよくわからないページを大量に開く、
人間には読めない名前のファイルを作って意図不明のスクリーンキャプチャを大量に保存する、
などなど、看過できない状態が多発。
国境地帯の攻防はかなりシビアになってきている。

しかしながら古来猫と人間の争いので人間が勝つ例というのは、
おそらく殆どないのだ。

国境を守る要塞の上でおもむろに寝る。
猫
重い。動けない。どっちみち仕事はできない。

もちろんそこは共同生活の場、こちらとて自分の意見だけを押し通すつもりはない。
「暖かくて人間の顔の見えるところで居眠りしたい気持ちはわかる」
ということで、キーボードの隣に猫アンカを設置。
猫

お愛想程度には使ってくれることもあるが、結局パソコンの上からは離れない。
猫

本格的に眠ったところを抱き上げてアンカの上に強制移動しても、あっという間にぬるぬるとキーボードの上の方に伸びていき、改善みられず。
猫
猫って案外長い。

この子の成長につれ、きっと今に大事なデータを壊されるのだろうと恐れおののく日々は続くのでありました。
猫

←じゃあ、お前が養え。
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | ちーちゃん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする