2013年04月30日

オーディオドラマ「ドン・キホーテ」 〜納谷 悟朗によるものすごくかっこいい遍歴の騎士

寝る前に人間の声を聞くのが好きなのですよ。

そのせいで、落語やらラジオやらが好きなんですが
実はわりと「声ならなんでもいい」と思ってるフシがあって
どの程度内容を聴いてるのか、我ながら怪しいものではあるんです。

そんな「聴いてるんだか聴いてないんだかおぼつかない私」が
ちゃんと夢中になって聴いたすばらしいオーディオブックを発掘いたしました。
オーディオブック ドン・キホーテ
→iTunes store「オーディオブック ドン・キホーテ」

先日亡くなられた声優さん、銭形のとっつあんでおなじみの納谷 悟朗さんによる「ドン・キホーテ」です。

これ、本当に面白かったんですよねぇ。
納谷 悟朗さん、すばらしく、かっこよく、軽妙で
こんなに楽しいオーディオブックも、そうあるものじゃないと思ったっことです。

ドン・キホーテって、物語もまたいいしね。
ただの頭おかしくなったおじさんのお話ですけど
どうしてこんなにおかしくも胸に迫るドラマなんですかね。
私生まれてから一度もおじさんになったことないのに、ドン・キホーテの気持ちはなにか分かるような気になってきますよ。

iTunesで800円ということでオーディオドラマとしてはちょっと高めの部類ですけど
かなりハイレベルな聴き応えでありました。


ちなみに朗読物のマイベストは長い間江守徹のハリーポッターシリーズだったんですが
並ぶくらいの出来なんじゃないかと思いました。

ハリーポッターと秘密の部屋

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内容云々よりも、声のトーンとか抑揚とか、リズムとか、
音楽代わりに聴いてるようなもんなんですけども
やっぱり内容も面白いほうが幸せになるんですよね。

←オーディオブックも、一度はまると結構お金を使ってしまう鬼門です。
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月29日

リンカーン 〜長くて地味だけど見ごたえもある一本

リンカーンを、見てきましたですね。
久々に満席の映画館に遭遇しまして、やむなく、一番後ろの一番端っこの席で見た。
手すりが視界に入るのが気になる場所ではあったんですが、
「やっぱりみんなスピルバーグが好きなんだなぁ」
と思うとなんだかちょっとうれしかったですね。

リンカーン
→公式サイト「映画 リンカーン」

スピルバーグはやっぱりすごい監督だし
内容のみっちりした、非常にいい映画だったですけど
正直長かったね。

歴史的な背景はみんなわかってる、ということを前提で
歴史上のかなり細かいエピソードを中心に扱ってるドラマなんです。
でもほら、見てるこっちは日本人だから
「リンカーンといえば、丸太小屋で生まれて、南北戦争で北軍を指揮して、奴隷解放して、ゲティスバーグで良い事言って、暗殺された」
くらいで、知識ほぼ全部なので、
細かいところでちょっと物語のペースについていけなくなったりするのですよね。

特に私は南北戦争の映画といえば「風と共に去りぬ」が染み付いちゃってますから
つい、主観を南軍側だと思ってみちゃうんですよね。
そうすると南北ごっちゃごちゃになってきて、
「えっと?えっと?…あ、軍服青いのは北軍だっ!」
ということをずっと考えながら映画を見ている、ということになっちゃうんで、
自分の知識不足のせいなんですがそれがちょっと慣れなかったですね。

リンカーン

映画は、奴隷解放宣言も、ゲティスバーグの演説もすでに終わった南北戦争の末期から始まるわけです。
奴隷解放宣言はしてるけども、その拘束力がいまいち不明確なので
実際にまだ奴隷制をしいてる州もあるし、戦争終わったらどうせうやむやになる。
そこで戦争が終わる前に
「すべての合衆国内で、永久に」奴隷制を禁止するための合衆国憲法修正13条
なんとか通そうと根回しする話ですね。
びっくりするくらい地味な話だ。

なんとか賛成票を確保するために、
意思の弱そうな反対派の議員にいい仕事を回したり、お金ばらまいたり、
という、せこい工作を地道にしていきます。

面白いのは、北部アメリカ人は当時、
奴隷制度は野蛮なことだという意識はあるものの、
「人種としては黒人が白人に劣っているのは疑いの余地がない」
というのが常識的な見解だったわけですね。

急進派が「黒人と白人は平等だ」と言い出すと
「お前らそういうこと言って、そのうち黒人に参政権やるとか言い出すんだろう、話にならん!」
となるわけです。
このシーン、実際にアメリカ合衆国の大統領が黒人である今みると、馬鹿みたいなシーンですけど
人の常識も正義感も、情けないほど時代に制限されてるってことが
浮き彫りになってて良かったですね。

そういう時代背景なので
「黒人も白人も完全に平等だ!」といって一歩も譲らない急進派のトミー・リー・ジョーンズには
逆方向の根回しをするこになるんですよね。
人として完全に平等だのなんだの言わないで、「法の下では平等」ってことだけでお願いしますよ、
という形になります。
リンカーン
トミー・リー・ジョーンズは自分が正しいと思ってるから一歩も譲らない。
でも時代の中では急進過ぎるから誰も聞かない。
彼の流儀では話は一歩も進まない。

リンカーンは、どんなことをしてでも、どんな不本意な言葉を使っててでも
修正13条だけは通さねばならないと思ってるわけです。
なぜなら、これは歴史的な決断だから。
地味だけどここがかっこいい。
これが歴史的な決断で、自分がやり通さなければならない、大事なのはそれだけだ
という「結論」が最初から見えてるんですよね。

頑ななトミー・リー・ジョーンズがリンカーンに折れて
議会で自分の意思をまげて「法の下の平等」と発言するシーンがあります。
ここが、私は一番好きな場面でしたね。

反対派の議員がトミー・リー・ジョーンズに向かって
「お前はいままで、白人と黒人が人として平等だと言ってきたじゃないか。それを急に法の下の平等というのか。いままで嘘をついてきたのかっ!」
と鬼の首をとったように攻め立てます。
それに答えてトミーリー・ジョーンズ、
「今見ててわかるとおり、あんたはかくも品性下劣で劣った人間である。だが法の下では私と平等だ。大事なのはその点だ」
ってなことを言うんですね。

このシーンはすばらしかったですね。
民主主義の肝って、たぶんトミー・リー・ジョーンズの言ったこの点に尽きるんですよね。
「気に入らない人たちは排除して好きな人たちだけですばらしいルールを作りましょう」
ということではなく
「気に入らない人たちとどうやって一緒に生きていくかのルールを作りましょう」
っていう話なんだな、と思います。
リンカーン
本作でアカデミー賞主演男優賞をとったダニエル・デイ・ルイスは
噂にたがわぬ、ほんとにすごかったですね。
立ってるだけで痛烈に孤独な感じとか、
南北戦争すすむにつれて、すごいペースで消耗して年をとる感じとか
非常にただものじゃありませんでした。

あとは、私が個人的に非常に押したいのはカツラのブ男、トミー・リー・ジョーンズ。
最後の最後まですばらしいのでぜひ注目してもらいたい。

長くて地味ですが、良い映画でした。


←それにしても孤独な話でありました。
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2013年04月28日

黄金週間なので我が家のお宝ご紹介

ゴールデンウィークもたけなわですね。

今日は黄金にちなみにまして
我が家のまいぞうきんをご紹介したいと思います。
まいぞうきん


まいぞうきん



←便利だよね。
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2013年04月27日

こいのぼり 〜あっちもこっちも子どもがたくさんいる連休

ゴールデンウィークになったようですね。
近所の小学校になかなか立派なサイズのこいのぼりがあがったんですが
今日はまた大層な風なので
狂ったようにぶん回っておりまして、
それはそれで人生の多難さを連想させるお飾りになっておりました。
いい具合です。

こいのぼり
サザエ こいのぼり 210円

買い物なんか行くと小さいの踏んづけそうになるくらい家族連れがたくさんおりまして
一応、
「このなかから一人連れて帰っていいとしたらどの子にしようかな」
というシュミレーションまではやってみますが、
やっぱり変わった話する子がいいね。

怪獣図鑑とか持ってきて
延々と情熱的に怪獣についての説明してくれる子とかが
とりわけ面白いんじゃないか、ってのが近頃の結論です。
男の子ってたいへんに興味深い。
こいのぼり
近頃、友達の子どもがどんどん大きくなってきて
曲がりなりにも日本語しゃべるようなったりして、これが面白いんですよ。

ミニチュアのおもちゃなんかがあると女の子はわりと
「ここがなにをする部屋でお父さんとお母さんと赤ちゃんがあれしてこれして…」
っていう、日常の秩序を自分で組み立てる方向で使いますけども、
男の子って作ったものを
円谷的に壊すのね。
すごい几帳面に、丁寧に作ったものを一撃で破壊するから衝撃ですわ。
男の子超斬新。

作る方の種族と壊す方の種族が20年くらいたったら
二人一組のチーム作って同じところで仲良く暮らしましょうね
とか、これは人類って無茶な課題を抱えてるわなぁ、
と気づくのでありまして子ども見てると面白いね。

こいのぼり

←怪獣好きの男の子が適度な鬱屈を抱えながらすくすくと育ってくれると面白くなりそうだ。
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2013年04月26日

読んでない本について堂々と語る方法 〜みんな言うほど読んじゃいない

久々に、痛快に面白い本読んじゃいましたね。
読んでない本について堂々と語る方法

とりあえず、みんな思ってるんだけど口にはしない
「読書に対する偽善的な態度」について切り込んで書いてるってだけでも
充分画期的に面白いですね。

読書に関する限り、とりあえずほとんどの人が異常にスノッブですよね。
いわく
いっぱい読んでるほうが偉い、とか
長時間読んでるほうが偉い、とか
隅々読んでるほうが偉い、とか
いや、まぁえらいかも知れないですけどね、矢印引っ張ってこっち側に近づくほどより偉い
みたいな神聖化するような作業でもないんじゃないか
…という違和感ってのも、常々持っていたわけです。

一方、この著者は大学教授、すなわち本について人前でしゃべるなんてことを日常的に行ってる人ですが
「みんな言ってるほど読んでないよ」
って感じのこと書いてますね。
…やっぱりそうか、愉快だな。

で、この本のすばらしいのは、別にスノッブなインテリの鼻を明かしてこき下ろすことが目的なんじゃなくて
無駄な気負いを捨てた読書術の本として書かれてるってところが優れてると思う。

教養ある人間が知ろうとつとめるべきは、さまざま書物のあいだの「連絡」や「接続」であって、個別の書物ではない。


とくにこの文章は本当に膝を打ちました。

自分の意識のなかに入ってきた本ってのは
「買ったけど読んでない本」とか
「読みはじめたけど飽きて3ページで辞めた本」とか
「頑張って丸2日くらい付き合ったけどさっぱり理解できなかった本」とか、
いろいろあるわけです。
特に私は、読み終わったらすぐ本を手放す、というモットーがあるので、
ちゃんと理解できなかったり、読み通せなかったりした本に対しては、
ちょっと無駄なことをしてしまったような後ろめたさを持ちがちで
結果的に徐々に読書量が減ったりもしてたんですよね。

で、その一方で「これはこれでなんかおかしいぞ」ってことも考えるようになり
本を読むってのは必ずしも、
「そこに書いてあることを隅から隅まで全部よんで理解する」
ってことでもないんじゃないかなあ、
と、最近ちょっと思っていたのです。

大事なのは自分の意識に登場した本が
ちゃんと自分にとっての思考の地図になっていて
それが相互にどういう関係で、思想的にどういう場所に位置するのかを大体把握すること、
もっと言っちゃえば、世の中のありとあらゆる考え方には必ずその反対の考え方が存在するんだってことをしっかり把握できてれば
一冊一冊についてはそんなに細かくわかってなくても大丈夫なんじゃないか(必要なときに読み直せばいいんだからさ)

現時点での自分の理解力であんまりわからなそうな本は
30分くらいでさっと何について書いてあるのかだけ把握したら何の屈託もなく
「よし、読み終わった!」
ってことでまったく問題ないのよね。

ということに気づいて楽しくなったので、また遠慮しないで
どんどん分かりもしない本を買い込もうと思ったのでした。


なんか、やたら痛快な本でしたね。

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自分が賢いと思い込むためにする読書よりは
自分の考えてることなんていかに頼りないか知るためにする読書の方が
生活の役に立ちそうな気がするよ。

←最近の一番の愛読書は高校教科書ですけども。
posted by 六条 at 18:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする